奈良市・生駒市・天理市・大阪市のとんかつ店

「まるかつ無料食堂」スタートして半年後のご報告と御礼

無料食堂ポスター貼り替えている店長

店長の金子友則です。
5月4日に「まるかつ無料食堂」を始めさせていただき、ちょうど半年が過ぎました。開始直後から想像以上の反響、そして、本当に多くのご声援をいただきました。遠方からわざわざお越しくださるお客様も増えました。まだまだ至らないことだらけのお店なのに、なんか申し訳なくて、本当にありがたいことです。当店としては、もっと料理や接客を磨いて、当店が皆さまの笑顔と元気のきっかけになれればと、日々努めていく決意です。

※無料食堂についてはこちらもお読みいただければありがたいです
「まるかつ無料食堂」について
子ども向け「無料食堂」ポスターについて

メディアなどで報道していただくたびに「無料食堂」を利用される方も増え、ありがたいなと思っています。また、利用される方の表情からもきっと喜んでいただいていると思います。人生には私などが想像も及ばないさまざまな境遇があり、子どもだけではなく、むしろ大人たちも苦しんでいるのだなぁ、などと、学ばせていただくことも多く、自分の人間的未熟さも痛感しており、調子に乗りやすい私にとってはありがたいことだと思っています。

本日11月5日現在、無料食堂のご利用者数は120名ほどです。これからもご遠慮なく利用していただきたいと思っています。プライバシーの心配なく、できるだけ気軽にご利用いただけるような配慮をしているつもりですので。本当にお互い様ですし、ご縁だと思っています。

私自身は「無料食堂」というちょっと変わった取り組みの功罪について、当事者ではありますが、バランス良く語るほどの知識や能力を持ち合わせていません。私の考えが及ばないところでどなたかにご迷惑をおかけしていたり、ご不快な思いをされていらっしゃる向きもあるかもしれません。ですが、ご批判も受ける覚悟でスタートさせていただいたことですから、改善しながら、できるだけ続けていきたいと思っています。

Twitterでもご説明しましたが、無料食堂を「無料」とさせていただいたのには、シンプルな理由があります。それは、想像できない人も多いと思いますが、今、数十円すら払えない人もいる、ということです。もうさんざんお金で苦しんできた人が一瞬でもお金から解放されるための選択肢を提供させてもらっているつもりです。お金の大切さ、便利さを否定するつもりはありませんが、何でもお金に結びつけなくても……、と思う次第です。また、「無料の代わりに働かせるべき」というご意見をいただくことも多いですが、お客様をお迎えしている飲食店として現実的には難しいことですし(ご本人の心情を考えても)、もし「働かざる者、喰うべからず」「お金がないなら我慢すべき」という価値観がベースにあるとすれば、むしろ、私たちが「働けなくても生きていきましょうよ」「お金がないことは尊厳とは別問題です」という逆のメッセージを発信する意味でも「無料」ということでいいのではないか、という結論にいつも達します。まだまだ思慮が浅いと思いますが、半年間、私なりにいろいろ勉強、経験させていただいた今のところの結論です。もちろん、働くことでお金を支払わなくても食事ができるお店などを否定するつもりはありませんし、究極は、とんかつを食べて「おいしい」と思っていただくことが私の何よりの楽しみですので、それくらいの自由度がある、選択肢が許される社会だとうれしいです(もちろんお客様や無料食堂の利用者様への感謝や配慮はきっと忘れないようにしたいです)。

※無料食堂についてのご意見などを、営業時間内外に関わらず「電話で」お寄せいただくことはご遠慮ください。私たちの時間はできるだけお客様のために使わせてください。ご理解をお願いします。

私にできることは、お店を続けていけるように、スタッフや取引業者の皆さん、地域、そしてお客様を大切にしながら、無理のない範囲で無料食堂も続けていけるように経営者としてもしっかりと舵を取ることだと思います。また、素人の発想でこのような取り組みを始めたにもかかわらず、半年間無事に運営できていることは、本当にありがたいことだと思っています。謙遜ではなく、飲食店としてリアルにまだまだ至らぬところがたくさんあり、お叱りを受けることもしばしばですが、がんばってよくしていきますので、どうかご容赦ください。

 

最後に、SNSでのシェアをはじめ、有形無形のさまざまなご声援、本当にありがとうございます。心から感謝しております。こんなアホなお店があってもいい、と思っていただける方がいてくださるとわかっただけでも、この上なく励みになっています。

最善で具体的なお返しの仕方がわかりませんが、お一人お一人のお気持ちをしっかり受け止めて、私たちが元気に営業させていただき、この無料食堂を続けていくことが、きっと恩返しになると思っていますので、せめて、その決意表明としてこの駄文が届くことがお返事になればと思って報告させていただきます。

(「本当はお返しとしてお一人お一人にハグさせていただきたい気持ちです」と書きたいところですが、書くと「かっこいい店長!ハグして~!」と全世界からファンが殺到し、奈良市内の道路がとんでもなく渋滞することが目に見えていますので、ここでは差し控えさせていただきます)

こんなおバカな妄想を繰り広げている私ですが、スタッフや多くの皆さまに支えてもらいながら、日々感謝を忘れずに、お客様に喜んでいただけるお店を作っていきます。どうか、これからもご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

2018年11月5日  とんかつ店「まるかつ」店長 金子友則

 

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