昨年(2018)5月4日に「まるかつ無料食堂」を始めさせていただき、ちょうど1年が経ちました。
※無料食堂については、できましたら先にこちらをお読みください。
・「まるかつ無料食堂」について
・子ども向け「無料食堂」ポスターについて
・「まるかつ無料食堂」スタートして半年後のご報告と御礼
さて、気にしてくださっている方も多いと思いますのでちょっとだけ報告をさせていただきます。まずご利用くださった方は、延べ180名ほどです。お一人様の方もいらっしゃいますし、ご家族でという方もいらっしゃいます。何度かご利用される方もいらっしゃいますし、その方が元気になれるのでいいかもしれません。すぐには状況がよくならないこともありますので。
また、ご利用された後は、一様に笑顔になってくださり、きっと喜んでくださっていると感じております。
ご利用希望の方に対して、一度もお断りしたことはありません。基本的にはお名前も聞きませんし、詳しいお話を聞くこともありません。それでも少し会話をさせていただいたりしますと、本当に皆様、それぞれいろんな事情があり、悩んでいらっしゃることがうかがえます。
反省すべきこともありました。ご相談いただいてお返事をしても連絡が付かなかった利用希望者さんがいらっしゃったことがあり、失望させてしまったのではないか、とずっと心に引っかかっています。今となっては、もし、このメッセージを読んでいらっしゃったら、ぜひご利用ください、と呼びかけることしかできません。
この1年で、いくつかご質問やご批判をいただくこともありましたので、この場にて回答させていただきます。
Q.どうせ理由を付けて利用を断るのでしょう?
A.一度も断ったことはありませんし、原則としてお名前やご事情すらこちらから聞くことはありません。
Q.いたずら利用者が殺到するのでは?
A.開始直後にいたずらと思われる利用者(親子、友人2組)がいらっしゃいました。おそらく何か勘違いされたのだと思います。もしかしたら恥ずかしくて見栄を張って困っていないふりをされただけなのかもしれませんが、それ以降はありません。
Q.お店の宣伝など、商売に利用しているのではないか?
A.そもそもこんなにも反響をいただくとは想像しておらず、そのつもりはまったくありませんが、たしかに多くのお客様が応援にとご利用くださっています。私どもとしましては、たとえ無料食堂を行っていなくてもご利用していただけるお店でいられるように努力することしかできません。そして、どのように感じ取っていただけるかはお任せするしかありません。
Q.メディアで「無料食堂」を取り上げたらだめなのでは?
A.無料食堂のことを多くの人に知っていただかないと困っている人に届きませんので、今後もメディアの力をお借りできたらと思っています。
Q.メディアに無料食堂利用者が出ているのはなぜか?
A.もちろんご本人の同意の上で「多くの人に知ってもらえる一助になれば」とご厚意で出てくださっています。こちらから断りにくい状況を作ってお願いしているわけではありませんのでご安心ください。
Q.スマホを持っている段階で貧困ではないのでは?
A.そういう状況から抜け出すためにもスマホは情報獲得手段として必要最低限のものになりつつあります。また、もし「お金もないのに贅沢はするな」というようなお考えでしたら、店長も少し勉強しましたが「相対的貧困」ということについてお調べになったらいいかと思います。
Q.とんかつなんて贅沢なものを提供する必要はないのでは?
A.私どもはとんかつ店です。たとえお金をいただかなくてもお客様ですので、お客様にとんかつを提供するのは普通のことです。また「贅沢なもの」だからこそ、ときどき食べていただきたいという気持ちもあります。実際に「子どもたちにお店のものを食べさせてあげられるのは2年ぶりです」というようなご感想もいただいております。そういうご家庭の子どもの笑顔を減らしたくはないと思います。
Q.お金はありますが利用できますか?
A.どういう意味かわかりませんが、「お金がある」とわざわざ宣言される方のご利用はお断りいたします。
Q.無料食堂を自分の飲食店でやりたいです。
A.私どもにご連絡いただく必要はございません。ただし、私の経験などでよければお話できますので、お問い合わせください。なお、おそらく多くの地域で実施されている「子ども食堂」とは性質が違いますので、ご注意ください。
Q.店長は思ったより背が高いですね。
A.これでも男3兄弟の中で一番背が低いのです。
Q.店長はなんでそんなにイケメンなのですか?
A.ここだけの秘密にしていただきたいのですが、じつはイケメンではありません。イケメンという枠をも飛び出した「超絶イケメン」(自称)なのです。
Q.お店のパソコンがウイルスに感染しまくったのは、店長がエッチなホームページを見たせいだ、という噂を聞きましたが……。
A.ち、違います!(なぜその秘密を…)
Q.このQ&Aの後半はふざけていませんか?
A.いいえ、これが通常運転ですので、ご理解をお願いします<(_ _)>すみません。
無料食堂をさせていただいたこの1年で成長させていただけたことがあるとすれば、人の善意や温かさを信じる力が強くなったことです。このことは私の人生でものすごく価値がある財産となっていると思います。笑顔で自分の料理を召し上がっていただける幸せも感じています。もしかしたら、そういう意味では、私が一番幸せな思いをさせていただいているかもしれません。
こんなおバカな店長を支えてくれるスタッフや業者さん、そして、なによりもお客様、無料食堂を見守ってくださり、声援を送ってくださる皆様に心から感謝しております。
そして、こんなことを言うのはおこがましいのですが、私どもの取り組みが、ほんの少しでもだれかが元気や笑顔のきっかけとしてお役に立てたら本当にうれしいです。
お店としては、まだまだ至らぬところだらけだと自覚しております。精進を続けていかなければなりません。飲食店として、何の工夫もせずにはなかなかお店を続けていくことはできないと思いますので、これからも工夫やチャレンジを続けていきます。
ときどきご心配のお声もいただきますが、無理せずにやっていきますので、ご安心いただければありがたいです。
末筆ながら、新しい時代、どうか皆様が笑顔が多い日々をお過ごしになれることを願っております。
お読みくださり、ありがとうございました!